紅葉 - 宝筐院
本日三つめです。
二年前にもここを尋ねたことがありました。
開門まで少し時間があったので、門前で何するともなく立っていると、ひとり男の方が、
「このお寺は写真に撮ってもいいのでしょうか?」と聞いてこられました。
というのも入り口に 「大型カメラや撮影目的だけの方はお断り」の大きな看板が立っていたからです。
デジカメ程度ならいいんじゃないでしょうかと、そんな話を切欠に少し立ち話をさせて頂きました。
聞けば関東から来られているらしく、その前年の紅葉時には奥様がお友達と一緒に、この宝筐院に来られたそうです。
でもそれから一年も経たずに、奥様は急逝されたとのこと。
まだ50代も前半の方とお見受けしましたので、かける言葉もありませんでした。
その男の方は、奥様が撮られた京都旅行の写真を片手に、奥様の足跡を辿っているのだとおっしゃっていました。
それが彼女の供養になるのではないかと。
見せて頂いたポケットアルバムの写真には、宝筐院の紅葉のトンネルの下で、微笑まれている奥様がいらっしゃいました。
そのあと開門時間になりお別れしましたが、奥様の撮られた写真と見比べながら、ここか?あそこか?と
奥様の足跡を探しておられた姿が今も忘れられません。
足跡というよりも、奥様の心に添っておられるのだろうと思い、
自分に置き換えると、何と幸せな奥様だろうと胸が熱くなる思いでした。
今年も燃えるような紅葉に出会いました。
それほど大きくないお庭に、たくさんの人、人、人。
大混雑でした。
ここまでくると来年は、さすがにちょっと考えてしまいます。
<2010.11.25撮影>
明日は厭離庵(えんりあん)に続きます。
by machizuki09
| 2010-11-26 21:15
| 宝筐院