沙羅 - 東林院(妙心寺塔頭)
雨が断続的に降り続く不快指数マックスな日。
こんな日に出かけるなんてめったにないことですが、東林院で行なわれている「沙羅の花を愛でる会」の
特別公開が月末までということで、奮起して行って来ました。
東林院は妙心寺の塔頭のひとつで、場所はおおよそ把握していったつもりでしたが、またしても広い境内でウロウロ。
この日の蒸し暑さは半端なく、湿気が体にまとわりつき、気持ち悪いことこの上無し。
お寺に着いて小一時間ほど汗が止まりませんでした。
宣伝が行き届いているのか、庭の縁に敷かれた毛氈には二重、三重の人垣が…。
「愛でる」という雰囲気からは、ほど遠いように思われましたが、
しばらくして団体さんが帰られると、なんとか縁の前へ座ることができました。
沙羅の花は一日花で、朝に咲いて夕方には落ちてしまいます。
まだ少し黄色味を残した苔の上に、真っ白な沙羅の花がポタポタと落ちてるさまを見ていると、
いやでも平家物語の冒頭が浮かんできます。
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす… 」
お坊さんの有り難いお話に耳を傾けることしばし。色々と感じることがありました。
しっとりと濡れた庭は美しいものですね。
カメラを向けてるそばから、また花がこぼれ落ちていきました。
パッと咲いてパッと散るというと桜の代名詞ですが、同じ散るのでもあちらは何かとても派手なイメージです。
でも沙羅の終わりは非常に静かで、それこそ何か悟りを開いたような、
短くても、充足感に満ちた最後のように思えます。
自分の人生と重ねてみたり…。
以前、沙羅の種を参拝者の方に配っておられたそうですが、
なかなか芽が出ず、苦情が出たために止めてしまわれたとか。
「簡単に芽がでる(成果が期待できる)ことが分かっていれば水もやれるのですが、
芽を付けるかどうかわかならないことには、みなさん手をかけられないようです」と。
心に残ったお話でした。
庭中央の大きな沙羅が6年前に枯れて、幹だけになっていますが、その根元から若木が伸びていました。
私が居た一時間くらいのあいだに、二組の団体がこられてました。
きょう日曜日も相当混雑しそうです。
公開は30日まで。
by machizuki09
| 2010-06-27 08:27
| 東林院